蟹江小校歌誕生秘話
蟹江小学校の校歌には、地元教育委員会の方々の熱意と、作曲家山田耕筰氏の「ふるさとへの思い」がありました。昭和27年、蟹江町に教育委員会が設立され、新しい時代の教育の推進を目指し活動が始まりました。そんな中で、小・中学校の校歌を作ろうということになりました。作詞のほうは、「白鳥省吾氏」に依頼してできあがり、いよいよ作曲という段階になりました。そんな折、「県政新聞」の藤岡洋次郎氏から「作曲家の耕筰先生は蟹江にゆかりのある人だから頼まれては如何でしょう」と提案がありました。それを受けて「山田清三氏」が教育委員会を代表して、山田耕筰氏を訪ねられたのです。氏の回顧録によれば、事の次第を切り出し、用件についてお願いすると「たしかに私は、蟹江に関係のあるものです。私のあばあさんは蟹江の人で、私の父は蟹江で生まれています。いわば、蟹江は私のふるさとでもありますから、その中学校や小学校の校歌の作曲を頼まれれば、喜んでお引き受けいたしましょう。」と気持ちのよい返事をいただいたそうです。また、歌詞についても、作詞家サトウハチロー氏を紹介していただき、現在ある校歌が完成しました。今では、蟹江小だけでなく、町内の他の小学校4校でも同じ歌が校歌になっています。なお、蟹江小学校には、山田耕筰氏直筆の楽譜が今も大切に保管されています。
校歌歌詞
1 雀は屋根から からすは木から
毎朝カバンを ながめてる
春にはつばめが 秋にはもずが
帽子のきしょうを のぞいてる
小鳥よおききよ 教えてあげよ
明るい学校 蟹江小学校
2 ずらりと並んだ ガラスのおまど
中からきこえる もれてくる
毎日毎日 かわいい声で
いろはにほへとや あいうえお
だれもが一度は 覚えることば
明るい学校 蟹江小学校
3 草の芽 草の葉 すくすく育つ
負けずに みんなも伸びていく
木枯ふくころ 草の葉かれる
みんなは枯れずに またのびる
元気な友達 やさしい先生
明るい学校 蟹江小学校
4 一二の三四は 算数 体操
ピアノで覚える 歌の数
外でも勉強 とんぼに ちょうちょ
たんぽぽ ひまわり 菊の花
くわしく調べて 互いに話す
明るい学校 蟹江小学校
5 春夏秋冬 風ふく朝も
雨でも雪でも みぞれでも
あの子も この子も こんちは おはよう
えらいぞ はげめと鐘が鳴る
雀がみている からすがのぞく
明るい学校 蟹江小学校