6年生の合唱は本当に素晴らしい。この学年の色であり、持ち味であり、自慢・宝です。歌声が響く学校、蟹江小を牽引しています。きっと6年間に素敵な日々を送ってきたのでしょう。「感謝の集い」で6年生が歌った「いのちの歌」に胸が震えました。命のきらめきに涙が堰を切ってあふれました。
会の最後に、PTA保護者代表の方から、とても心に残るお話をいただきましたので、皆様にも紹介させていただきます。
本日、このような会を開いていただき、誠にありがとうございます。
小学校での6年間、楽しいこと、悲しいこと、色々なことがありました。成功したこと、失敗したこと、たくさんの経験を通して、大きく成長できたことと思います。
子どもたちの成長は、私たちにとって、何よりの喜びです。でも、どんなに経験を重ねても、変わらないものがあります。それは「自分が自分であること」です。人は、出会いと経験を通して変わっていきます。 考え方や価値観、得意なことや苦手なこと。でも、根っこの部分、つまり、「自分が自分であること」はずっと変わりません。それは、子どもでも大人でもない、青春期と呼ばれる時期には、特に大切なことかもしれません。
この時期は、自分らしさとは何か、大人になるってどういうことだろうと悩むこともあるでしょう。もしかしたら、保護者の方も、子育てをしながら“自分が自分であること”に迷っているかもしれません。
話は変わりますが、みなさん、飛行機に乗られたことはありますか。飛行機は、私たちを遠い空港に連れて行ってくれる便利な乗り物ですが、まれに、目的地が変わることがあります。例えば、天気が悪い時、飛行機が故障した時、安全な場所に、目的地を変えることがあります。これを「ダイバート」といいます。ダイバートは、乗客の安全を第一に考え、最善の選択をするための手段です。
私たちの生活でもダイバートがあります。例えば、習い事を始めたけど、やっぱり違うなと思ってやめた。友達とケンカして、しばらく遊ばなくなった。これもダイバートなのです。生きていく上でのダイバートは、決して逃げることではありません。自分にとって、本当に大切なものは何か、進むべき道はどこか、見つめ直す大切な時間です。立ち止まって自分と向き合う、新たなことに挑戦して自分を発見する、あるいは、誰かに相談することで道が開けるかもしれません。ダイバート先は、人それぞれです。
これからは中学校という新しい世界が待っています。楽しいことや挑戦したいことがたくさんあるでしょう。時には、壁にぶつかることもあります。もし、自分を見失いそうになったら、あるいは、今いる場所が違うと感じたら、ダイバートという選択肢があることを思い出してください。どんなダイバート先を選んだとしても、そこには必ず、あなたを支えてくれる人がいます。それは、いつも応援してくれる家族、温かい言葉をかけてくれる先生、そして、共に笑って、共に悩んでくれる友達。困った時は、いつでも頼ってください。大切なのは、どんな状況でも、安全に、そして自分らしく生きていくこと。そして、出来ることなら、誰かのダイバート先になれるよう努力もしてください。
最後に、私は保護者代表とは名ばかりで、ここにいらっしゃる保護者様、ここにいらっしゃらない保護者様のお気持ちまで、代表できるものではございませんが、子育ては喜びと苦労の連続であり、お子様の成長を見守る中で、自身も親として一緒に成長させていただきました。これからも、誰かにとってのダイバート空港でありたいと思います。
本日、ここにいらっしゃる保護者様、先生方、児童のみなさまとの時間に、心から感謝の気持ちを申し上げます。誠にありがとうございました。