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第77回卒業式

3月19日(火)第77回卒業式が挙行されました。

本式には、蟹江町長様はじめ、御来賓の皆様にも花を添えていただきました。また、5年生も参加し、素敵な歌を届けてくれました。天候にも恵まれ、晴れやかなよき日となりました。

第七十七回 卒業式 式辞

あたたかな春風に頬をくすぐられる素敵な季節となりました。その春風にそっと背を押されているかのような優しさも感じます。朝早く、ひときわ輝いていた明けの明星が、曙色に染まる東の空に消えると、とたんに小鳥たちは、美しく並んでどこかへ出かけていきます。お天道様が、わたしたちのくらしの隅々まで光を届けるころには、小鳥たちは、屋根から木から、色とりどりのランドセルを眺め、黄色い帽子の徽章をのぞいています。

今朝は、昇る朝日のまわりに大きな大きな円い虹が見られ、きっと素敵な日になると心が躍りました。

本日、ここに第七十七回卒業式を挙行することができることを、心から嬉しく思います。今朝は、雀やからすも、格別な思いで皆さんの晴れ姿を眺めたことでしょう。百十一名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

本日は、蟹江町町長 横江 淳一様をはじめ、ご来賓の皆様には、公私ともに大変ご多用の中、ご臨席を賜り、卒業式に花を添えてくださり、誠にありがとうございます。厚くお礼申し上げます。

卒業生の皆さんには、「幸せ」についてお話をします。

メーテルリンクという人が書いた「青い鳥」というお話を読んだことがあるでしょうか。貧しい家に住む兄のチルチルと妹のミチルが、幸せの青い鳥を探しに冒険の旅に出るというお話です。見知らぬおばあさんからもらった帽子についたダイヤモンドをまわすと、魔法が起こり、二人は「思い出の国」や「夜の国」「森の国」を旅します。でも、それぞれの国で見つけた青い鳥は、その国から出たとたんに、死んでしまいます。その後、「未来の国」を旅した二人は、また青い鳥を見つけました。しかし、「時の番人」に見つかり、追い出されてしまいます。慌ててダイヤモンドを回した二人が気付くと、自分たちの家に戻っているのでした。でも、必死で捕まえた籠の中のたくさんの青い鳥は、真っ赤に変わっていました。しかし、夢から覚めた二人は、家の中にもともといた鳥が青い鳥になっていることに気づきます。幸せを呼ぶという青い鳥を探す冒険に出かけた二人が気付いたのは、「本当の探しものは、実は目の前にあったんだ。幸せはすぐ身近にあるよ。近すぎて、その幸せに気づかないことがあるんだよ」ということでした。

この鳥のおかげで、病気のあるおばあさんの娘は、元気になります。娘がお礼とともに青い鳥をチルチルとミチルに返したとき、青い鳥は空に逃げて行ってしまいます。しかし、慌てる娘に二人は言うのでした。「大丈夫。青い鳥はどこにでもいるのです」それで物語は終わります。

『幸せを自分のためだけでなく、人のために求めるとき、それは計り知れなく大きくなる』ということに気づいたのだと思います。

サン・テグジュペリという人が書いた「星の王子様」の中にもこんな言葉があります。

『心で見なくちゃ。ものごとはよく見えないってことさ。大切なことは目に見えないんだよ。』

まず、あなたが「ここにいること」このことこそが、何にもまして、素晴らしいことです。あなたは、どのご家庭においてもかけがえのない宝です。そして、あなたは蟹江小学校の卒業生として、未来の蟹江町や日本・世界を担う人材として宝です。

これからも、あなたが笑えば、人は和むでしょう。あなたのいつものやさしい心配りは、人を温めるでしょう。あなたの発想は、人をはっとさせ、あなたが起こす行動は、たとえ小さな一歩でも大きなうねりを起こすでしょう。あなたの平凡な日常に心を許し、安らぐ人があるでしょう。そして、あなたが次の扉を開こうとする時、きっとそれを支え、見守り、応援する人が現れるでしょう。

大切なものは目に見えません。あなたは、すでにこれまでに、幸せを呼ぶ青い鳥といつもともにいたのです。そしてこれからも青い鳥はあなたのそばで美しい声で鳴いているはずです。

吾唯足知(我ただ足るを知る)私たちはすでに満ち足りています。そして、大切な人にすでに出逢っています。そのことに日々感謝し、「ありがとう」の言葉で伝えてほしいと願っています。「ありがとう」は、一番美しい日本語であると思っています。

卒業生の皆さんが「私だからできること」を見つけ、夢中の日々を送る未来を夢見ています。そう、皆さんの夢は、校長先生の夢です。

最後になりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。命がきらきら輝き、無限の可能性を秘める百十一名の卒業生に出逢わせてくださったこのご縁に、このご恩に、私たち教職員は報いるよう、六年間、愛をもって育てました。至らないこともあり、多くの御心配もおかけしたことと思います。この場をお借りし、ここまでともに歩んでくださったことに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

卒業生の皆さんの大いなる前途を祝します。これから一人一人が歩む空が、いつも美しく晴れてたらいいなと祈り、たとえ涙が流れようとも、雨上がりの心に美しい虹がかかるといいなと願い、第七十七回卒業式の式辞といたします。